メニュー
2027 AIR CONDITIONER新基準・新シリーズ・切替時期を、ひとつずつ。

2027年モデルのエアコン、何が変わる?パナソニック・ダイキンの新シリーズと切替時期

「来春引き渡しの住宅は、今の型番で見積もって大丈夫?」「2027年になる前に買い替えたほうがいい?」

サステナシールドの寺嵜です。エアコンの省エネ基準が変わるのに合わせ、パナソニックとダイキンの住宅設備向けシリーズも切り替わります。大切なのは、新しい名前・必要な機能・納入する時期を一緒に確認することです。

最初に押さえたい3点
  • 新基準は2027年4月から。今お使いのエアコンを一斉に交換する制度ではありません。
  • 新製品は2026年秋から2027年春にかけて、シリーズごとに順次登場する予定です。
  • 「2027年モデル」と「2027年度省エネ基準達成」は別の意味。継続販売モデルにも新基準を満たす機種があります。

情報整理日:2026年10月10日。住宅設備向けの壁掛形・主にペアタイプを対象に、提供されたメーカー・販売店資料を整理しています。発売日は予定であり、受注・出荷・現場への納入を保証するものではありません。

1. 2027年4月から、省エネの「ものさし」が変わります

家庭用エアコンのトップランナー制度では、メーカーなどが出荷する製品の省エネ性能に目標基準が定められています。壁掛形は2027年度、壁掛形以外などは2029年度が目標です。今回の記事は壁掛形の2027年度基準を中心に扱います。

省エネ性能を見る代表的な数値がAPF(通年エネルギー消費効率)です。一定の条件で、1年間の冷暖房に必要な能力を消費電力量で割った指標で、数値が大きいほど効率が高いことを表します。比べるときは、同じ能力帯・同じ評価条件で確認しましょう。

新基準に変わっても、今のエアコンは引き続き使えます。未達成の製品が一律に製造・販売禁止になる制度でもありません。資源エネルギー庁は、メーカーの年度ごとの出荷台数を踏まえた平均で評価する制度であること、基準変更そのものが既設機の修理をできなくするものではないことを説明しています。

一方、メーカーがシリーズを終了・統合すれば、希望の型番を手配できる期間は変わります。制度の開始日と、個別商品の販売・在庫の終了日は分けて考える必要があります。

制度の出典:資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!」/エアコンディショナーのトップランナー基準

2. パナソニック:EXはELへ統合、普及帯には新Aシリーズ

住宅設備ルートでは、EXシリーズをELシリーズへ統合し、Fシリーズは終了予定。普及帯には新たにAシリーズが登場します。従来の見積書の型番を、年式だけ置き換えて使うのは避けましょう。なお、資料では家電ルートのEXは別扱いです。

パナソニックの主な新モデル
シリーズ主な特徴・選ぶ視点
HX上位モデル。小能力時にも効率を高めるコンプレッサー、自動フィルター掃除、ナノイーX、無線LANを搭載。
EL住宅設備向けEXを統合する中級モデル。自動フィルター掃除、ナノイーX、無線LANを搭載。
NナノイーX・無線LAN搭載。全能力で冷房COP区分(い)と案内されています。
JナノイーX・無線LANを備えたモデル。新基準達成と必要な機能を両立したい場合に比較する候補。
A〈新シリーズ〉2027年度基準達成のスタンダードモデル。普及帯の選定候補として、F終了と合わせて標準仕様を見直します。
フル暖 UX・TX・K寒冷地向け。UXは小能力時高効率型コンプレッサーと自動フィルター掃除、TXは自動フィルター掃除を搭載。3シリーズともナノイーX・無線LAN搭載。

全部が新型に置き換わるわけではありません

ラインアップ資料では、Cは2026年モデルの2.2・2.5・2.8kWのみ継続、換気・加湿のLVも2026年モデルの4.0〜7.1kWが継続となっています。継続機種の選定も、能力・電源・在庫を個別に確認してください。

設計では「冷房COP区分(い)」も確認

HX・EL・N・フル暖UX/TX/Kは、提供資料で全能力が冷房COP区分(い)とされています。ただし、冷房COP区分とAPFによる2027年度基準の達成率は別の指標です。省エネ計算に使う値は、シリーズ名だけで決めず採用品番の仕様で確認します。新基準達成だけで住宅全体のZEH適合が決まるわけでもありません。

3. ダイキン:P系は冷房の快適さ、B系はベーシックな構成が軸

新しい案内では、Pの付くシリーズを「プレミアム」、Bの付くシリーズを「ベーシック」として整理しています。選ぶときは、冷房時の湿度、掃除機能、設置スペースを見比べると分かりやすくなります。

ダイキンの新シリーズの見分け方
シリーズ案内資料で確認できる特徴
RP加湿・換気、AI快適運転、節電自動、プレミアム冷房、自動フィルター掃除、無線LAN内蔵。
APAI快適運転、節電自動、プレミアム冷房、自動フィルター掃除、無線LAN内蔵。
GPプレミアム冷房、自動フィルター掃除、無線LAN内蔵。
CBベーシック系。自動フィルター掃除と無線LAN内蔵。
Bベーシック系。無線LANは別売。メーカー定価を設けないオープン価格。
SP(risora)奥行185mmの薄型室内機。詳細仕様は後報とされており、機能・COP区分は最終資料を確認。
DP販売店の2027年モデル価格表に掲載。今回の機能比較チラシには詳細がないため、機能の断定はせず個別確認。

冷やしすぎず、湿度にも目を向ける「プレミアム冷房」

RP・AP・GPで案内されているプレミアム冷房は、設定温度に到達した後に冷房から除湿へ切り替え、湿度を抑えることを狙った機能です。「温度は下がったのに、まだ蒸し暑い」という不満があるときの比較ポイントになります。効果は使用環境で異なります。

高さ250mmは、対象能力まで確認

GP・CB・Bには高さ250mmのコンパクト室内機が案内されていますが、対象は2.2〜2.8kWのみです。全能力が同じ寸法ではありません。SPの「奥行185mm」とも異なる寸法の話です。カーテンレール上や下がり天井付近では、機器寸法に加え、据付説明書の必要余白も確認しましょう。

また、RP・AP・GPは全能力で冷房COP区分(い)。CB・Bは2.2kWが(は)、2.5・2.8kWが(ろ)、3.6〜5.6kWが(い)という案内です。「新シリーズだから全機種が(い)」とは限りません。

4. 移行は一斉ではなく、2026年秋から2027年春へ

以下は資料に記載された発売予定です。旧機種の受注締切・最終出荷日・在庫保証期間は別途確認が必要です。

2026年秋〜2027年春の発売・制度カレンダー
時期(予定)パナソニックダイキン
2026年10月下旬HX—
2026年11月—RP・AP/DPは販売店資料で11月予定
2027年1月ELホワイト:ラインアップ資料では1月下旬※CB・B
2027年2月上旬A—
2027年2月(主に下旬)ELグレー・N・J・フル暖UX/TX/KGP(月内の詳細は確認)
2027年3月—SP
2027年4月壁掛形エアコンの新しい省エネ基準が開始同左

※ELは資料間に差があります。モデルラインアップ一覧は「ホワイト:2027年1月下旬、グレー:2月下旬」、新製品価格案内は「2027年2月」と記載されています。この記事では確定日として扱わず、発注前に色・品番ごとの出荷予定を確認するものとします。その他も発売日が変更される場合があります。

2027年春に引き渡す住宅は、見積時と納入時でシリーズが変わる可能性があります。旧型を指定した見積もりでは、代替機種・機能差・電源・寸法・価格条件を先に整理しておくと、直前の手戻りを減らせます。新製品の発売月を、旧製品の最終納入期限に読み替えないことがポイントです。

5. 建築業者・ハウスメーカーの設計担当者へ

標準仕様書を更新するときは、次の項目を一緒に確認することをおすすめします。

  1. 採用品番と納入希望日:年式・能力・色・電源を含めたセット品番で照合し、引き渡しから逆算して手配します。
  2. 省エネ計算の入力値:APF、新基準の達成率、冷房COP区分をそれぞれ確認。旧シリーズの数値を転用しません。
  3. 電源と配線:100V/200V、室内電源/室外電源、専用回路・コンセントを確認。たとえばパナソニックELの3.6kWは資料上200V、Nの3.6kWは100Vです。
  4. 納まりとメンテナンス:室内機・室外機の寸法、据付余白、配管・ドレン経路、フィルター清掃時の作業スペースを図面と突き合わせます。
  5. 沿岸部の仕様:千葉の海沿いでは、耐塩害仕様の対象・専用品番の有無を確認。シリーズ名や色だけでは判断しません。
  6. 代替時の説明:掃除・無線LAN・加湿換気など、施主様と約束した機能が新しい採用品番でも満たされるか確認します。

「同等品へ変更」の一言では、電源や機能の差が伝わりません。設計図・見積書・発注書の3つを、同じ採用品番でそろえることが大切です。

6. 一般のお客様へ:買い替えは、年号より暮らしに合わせて

今の機器に不具合がなく、部屋も快適なら、基準変更だけを理由に急いで交換する必要はありません。反対に、故障が増えた、冷暖房が足りない、電気代が気になる場合は、使用年数や修理状況と合わせて検討しましょう。

畳数の目安だけでなく、窓の大きさ、日当たり、断熱性、吹き抜けなども選定に関わります。電気代の削減額もご家庭ごとに変わるため、「新型なら必ず何円お得」と一律にはいえません。

7. 価格は「定価」と「工事を含めた費用」を分けて確認

メーカー希望小売価格・標準価格は、実際の販売価格や設置工事費とは異なります。以下は税別の希望小売価格が明記されているパナソニック資料から、標準色の代表機種を抜粋したものです。掲載する金額は定価のみで、販売価格や工事込み価格ではありません。

定価の参考例:パナソニックの2.2kW機
シリーズ/能力セット品番希望小売価格・税込(税別)
A/2.2kWXCS-227DAL-W/S330,000円(300,000円)
J/2.2kWXCS-227DJ-W/S352,000円(320,000円)
N/2.2kWXCS-227DN-W/S407,000円(370,000円)
EL/2.2kWXCS-227DEL-W/S451,000円(410,000円)
HX/2.2kWXCS-227DHX-W/S550,000円(500,000円)

税込額は資料の税別希望小売価格に消費税10%を加えた参考表示です。「/S」は室内機・室外機のセット品番表記。工事費・追加部材等は含みません。発売前の案内価格のため、発注時に最新条件をご確認ください。

ダイキンは、今回の提供価格表に税区分の明記を確認できなかったため、金額の掲載を見送っています。Bシリーズはオープン価格で、メーカー定価の設定がありません。定価があるシリーズも、採用品番・税区分を確認してご案内します。

図面か、今のエアコンの写真があれば相談できます

建築・設計担当者様は現行の採用品番、台数、納入希望月、平面図を。ご家庭のお客様は現在の型番、設置場所の写真、お困りごとをお知らせください。新旧の機種差、設置条件、必要な機能を整理してご提案します。

この記事の参照資料と確認範囲
  • パナソニック「27モデルラインアップ一覧」1ページ:統合・終了・継続能力・発売予定。
  • パナソニック「住宅設備用エアコン(壁掛形)新製品のご案内」2026年案内・2ページ:HX/EL/N/A/Kの特徴、希望小売価格、予定月。
  • 同「2026年8月」案内・2ページ:A/Kの価格確定案内、J/UX/TXの特徴と価格。
  • ダイキン「ルームエアコン 新ラインアップ」SPR26124(26.07)・2ページ:機能、寸法、COP区分、発売予定。
  • 販売店提供のダイキン2027年モデル7A型標準価格表:DPの掲載、発売予定、Bのオープン価格表記。
  • 資源エネルギー庁の解説・トップランナー基準(上記リンク)。

資料の情報を記事として整理したもので、メーカー間の同等機種・優劣を保証する比較ではありません。発売予定・仕様は変更される場合があります。

建築・設計の機種選定も、ご家庭の買い替えも。

コラム一覧へ戻る