「熱中症が心配。避難所にも指定されている。でも財源が」——その空調に、専用の交付金があります。そして、その補助要件が「断熱性の確保」です。
千葉県は、指定避難所となる学校体育館を数多く抱える県です。そして2019年に、それが現実になりました。
令和元年台風第15号。復旧まで2週間以上かかった地域があります。
出典:内閣府「令和元年台風第15号に係る被害状況等について」(第21報)
文部科学省が、学校体育館の空調整備のために設けている交付金です。
| 財源 | 補助率 | 交付税措置 | 実質地方負担 | 期限 |
|---|---|---|---|---|
| 空調設備整備臨時特例交付金 | 1/2 | 50%(充当率100%) | 約25% | 令和15年度 |
| 緊急防災・減災事業債 | —(単独事業) | 70%(充当率100%) | 約30% | 令和7年度まで=終了 |
| 学校施設環境改善交付金 | 1/3(R5〜7は1/2) | 30% | 約38.75% | — |
補助対象下限額 400万円/上限額 1.1億円(EHP=電気式)・1.4億円(GHP=ガス式)。工事を伴わないリース方式は補助対象外です。出典:文部科学省「学校体育館への空調整備について」令和7年11月。令和8年度以降の運用は所管課・文部科学省へのご確認が必要です。
この地方債は令和7年度で終了しています。臨時特例交付金のほうが実質負担も軽く(25% vs 30%)、期限も令和15年度まであります。まずここをご確認ください。
文部科学省の資料には、こう書かれています。
「工事の規模に関わらず補助要件を満たすこととしています。具体的な数値等は求めていません」
認められる工法として「屋根の遮熱塗装や遮熱フィルム貼りなど比較的簡易な工法を含め様々な断熱・遮熱対策」を明示
「必ずしも屋根、壁、床等のすべての断熱性確保を求めるものではありません」
出典:文部科学省 大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課「学校体育館への空調整備の早期実施に向けて」令和7年3月/「学校体育館への空調整備について」令和7年11月
| 簡易な工法 | 屋根の遮熱塗装/遮熱フィルム貼り/遮熱ロールスクリーン/日射調整フィルム |
|---|---|
| 本格的な工法 | 屋根カバー工法(断熱性能の高い屋根材)/壁面の断熱材充填/複層ガラスへの改修/床シート材施工 |
| 実施時期 | 空調設置工事と断熱工事の実施年度に制限なし(令和15年度までに実施) |
要件は「具体的な数値を求めていない」ので、遮熱塗装をすれば形式的には満たせてしまいます。
でも、それだけでは空調は小さくなりません。本当に熱負荷が落ちているかは、実測でしか分かりません。私たちはサーモグラフィと電力データで、施工前後を比較してお出しします。
「たぶん効果があります」というご提案はしません。
熱を先に落とすと、空調も、太陽光も、蓄電池まで小さくなります。
補助要件を満たし、同時に熱負荷を落とします。サーモグラフィで熱の入口を特定してから決めます。
熱負荷が下がった前提で計算し直します。本体費も毎月の電気代も下がります。
平時は電気代を下げ、非常時は日中の電源になります。屋根の耐荷重・防水改修時期と併せて判断します。
停電しても避難所で空調が動く状態に。止めたい負荷 × 動かす時間から逆算します。
1,000㎡規模の体育館での試算例(ESTIMATE・実測前)
上記は前提を置いた試算値であり、実測値ではありません。建物の状態・方位・屋根材により変わります。現地調査と実測により確定させます。
延床1,000㎡・指定避難所・高圧受電の体育館を想定した組み立て方です。
| ① 遮熱・断熱 | 屋根の遮熱塗装+高所窓の遮熱 → 空調の補助要件を満たす。同時に熱負荷を落とす |
|---|---|
| ② 空調 | ピーク70kW想定 → 遮熱後は50kW級で成立する可能性 電気式(EHP)を推奨。理由は次項 |
| ③ 太陽光 | 100kW級。平時は電気代を下げ、非常時は日中の電源に |
| ④ 蓄電池 | 止めたい負荷 × 継続時間から逆算 108〜270kWh級を組み合わせ |
| 項目 | EHP(電気式) | GHP(ガス式) |
|---|---|---|
| 補助対象上限額 | 1.1億円 | 1.4億円 |
| 非常時の自立 | 太陽光+蓄電池で動かせる | ガスが止まると動かない |
| 平時の電気代 | 太陽光の自家消費で下げられる | — |
先行自治体の事例では、体育館空調がガス式のため、非常時の特定負荷は照明・コンセント・Wi-Fiのみで空調は賄えていません。補助上限額だけを見るとGHPが有利ですが、避難所として空調を動かすならEHPです。目的(平時の熱中症対策か/非常時の避難所機能か)をはっきりさせてからお決めください。片方を否定するつもりはありません。
文部科学省の交付金は空調と断熱。太陽光・蓄電池は環境省の制度が候補になります。
令和7年度は応募43件→採択43件(全件採択)
制度は年度ごとに要件も公募時期も変わります。適用可否は所管課と執行団体へのご確認が必要です。
私たちの役割は、採択に耐える技術構成と、実測にもとづく根拠資料をお出しすることです。補助金ありきで工事を組みません。本来必要な工事を先に決めて、そのうえで使える制度があれば当てにいきます。制度が終わった瞬間に成立しなくなる提案は、提案ではないと考えています。
計画づくり支援事業の公募は例年3〜5月です。年度の早い時期に動く必要があります。
産業用リユース蓄電池(日東工業「サファLink-ONE-」)のメーカー納入実績です。当社の施工実績ではありません。
104.4 kWh
指定避難所である小・中学校体育館の建て替えに併せて導入。環境省の補助事業に採択。決め手は「自然を大事にしたい」という村の希望との合致と、子どもたちの環境保全意識の向上。将来は社会科の授業にも活用する予定とのことです。
108 kWh
2021年に「サーキュラーシティ」への移行を宣言。レジリエンス強化の一環として導入。決め手は「長期間の使用となるため、性能と保守性が高い国産品を扱うメーカーを」という理由でした。
写真出典:日東工業株式会社 製品資料「産業用太陽光自家消費蓄電池システム サファLink-ONE-」(2026年8月)。メーカーの納入実績であり、当社の施工実績ではありません。
電気自動車で役目を終えた電池を、捨てずに定置用として使う。これはサーキュラーエコノミーの実物教材です。SDGsや3Rを学ぶことが当たり前になった今の学校教育と、非常に相性がよいと考えています。
先行する自治体では「自分たちの学校に電気を送っているのは、役目を終えた電気自動車のバッテリーです」という話が、社会科や道徳の授業で実際に使われています。設備投資が、そのまま教育資産になります。
産業用蓄電池は「許可が下りるか」ではなく「正しく申請するか」の問題です。①蓄電池容量が20kWhを超えるため設置前に所轄消防への申請が必要、②電解液が200L以上になる構成は少量危険物に該当し同じく申請が必要になります。メーカーが消防庁向けに整理した資料と、キュービクルの火災予防条例適合をあわせて提出します。事前相談には同行します。
千葉県には、遮熱・断熱工事や蓄電池を対象にした独自の補助金があります。
| 対象者 | 県内で事業を行う中小事業者等(中小企業、個人事業者、NPO法人、組合等) |
|---|---|
| 対象設備 | 蓄電池/LED照明/高効率空調/遮熱・断熱工事/工場廃熱等利用設備/自然冷媒機器/太陽熱利用・風力発電等 ※太陽光発電は対象外 |
| 補助率 | 省エネ診断あり:1/2・上限1,000万円 簡易自己診断のみ:1/4・上限500万円 |
| 必須要件 | CO2CO2スマート宣言事業所登録/省エネルギー診断の受診または簡易自己診断/年間3t-CO2以上の削減 |
| 事務局 | 業務用設備等脱炭素化促進事業補助金事務局 TEL 050-3108-5921 |
公立の学校は対象外です。学校法人が「中小事業者等」に該当するかは、事務局へご確認ください。公立校の体育館空調は、文部科学省の交付金(本ページ上部)が本筋になります。
県公式PDFは千葉県のサイトへリンクしています。最新の受付状況は必ず公式ページでご確認ください。
デマンドの30分値をお預かりします。ここが無いと設計が始まりません。
屋根材・構造・耐荷重、高所窓、外壁、受電設備の余力、設置スペース。熱の入口を画像と数値で特定します。暑い時期にしか測れません。
遮熱後に必要な空調が何kWまで下がるかを出します。
遮熱・空調・太陽光・蓄電池を一本の設計として。使える制度があれば併せて整理します。
所管課がそのまま使える形でお出しします。所轄消防への事前相談にも同行します。
私たちは高圧受電設備(キュービクル)の設計・施工を本業としています。遮熱も、空調も、太陽光も、蓄電池も、受電設備の増設まで含めて一本で計画できるのがいちばんの違いです。設備が業者ごとに分かれると現場の統制が取れなくなり、無駄なコストが積み上がります。
いいえ。文部科学省は「空調設置工事及び断熱性確保工事の実施年度について、特に制限は設けていません」としています。ただし令和15年度までに実施する必要があり、「ランニングコストを含めたトータルコストの縮減」の観点から、できる限り近い年度での実施が望ましいとされています。
「必ずしも屋根、壁、床等のすべての断熱性確保を求めるものではありません」と明記されています。建物の実情に応じた選択的な対応が認められています。どこから手をつけるのが効果的かは、熱の入口を実測してから決めましょう。
工事を伴わない場合は補助対象外と明記されています。リース契約は対象外です。
構成が決まる前の金額はお出ししません。数字だけが独り歩きしてしまうためです。体育館の面積・建築年・屋根材・窓仕様・受電設備の状況が分かれば、総額でお見積りします。追加費用の可能性も先にお伝えします。
使えるかどうかを私たちが断定することはできません。制度は年度により要件・公募時期が変わります。適用可否は所管課と執行団体へご確認ください。私たちは採択に耐える技術構成と根拠資料をお出しする役割を担います。
できます。先行自治体でも市内の小・中学校へ一斉導入した事例があります。複数校になる場合は標準仕様をつくり、校ごとの差分だけを設計する形が現実的です。まず1校で実測と設計を固め、それを型として展開するのが確実です。
何を導入するか決まっていなくて構いません。「うちの体育館、遮熱で空調がどれくらい小さくなるのか」という質問だけでも結構です。必要がなければ、必要ないとお伝えします。