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千葉の停電対策。
モノを買う前に、確かめることがあります。

2019年の台風で、千葉は約93万戸が停電しました。全面復旧までおよそ280時間。あれから設備を入れたお宅も多いのですが、その設備を一度も動かしたことがないという方がほとんどです。
このページは、機器を売るためのページではありません。いま家にあるもので何ができるのかを確かめて、足りない分だけを足す——その順番をまとめたものです。

千葉で停電が起きる理由

千葉県は、停電のリスクが構造的に高い土地です。理由が4つあります。

要因千葉の事情
台風の通り道太平洋に面し、房総半島が突き出しています。2019年は房総半島に直接上陸しました
倒木山間部・丘陵部の樹木が電線を巻き込み、道路も塞ぎます。2019年の復旧遅延の主因でした
塩害海に近い地域が多く、がいしへの塩分付着で漏電・地絡が起きることがあります
落雷夏場の雷で瞬時電圧低下(瞬停)が起きます。停電しなくても機械は止まります

このうち瞬停は、家庭ではほとんど気づきませんが、工場やお店では機械が止まり、復旧に何時間もかかります。「停電していないのに止まった」というのが、これです。

停電対策の選択肢を、横に並べます

「何を買えばいいか」の前に、選択肢の性格を知っておいてください。どれが優れているという話ではなく、役割が違います。

手段使える量・時間得意なこと向かないこと
カセットコンロボンベの本数ぶん屋内で使える熱源。湯を沸かす、調理する電気は作れません
ポータブル電源小〜中容量・数時間スマホ・照明・扇風機。屋内で静か。持ち運べるエアコン・IHは厳しい
太陽光の自立運転1,500W・日射がある間だけ昼の冷蔵庫とスマホ充電。燃料が要らない夜は使えません。精密機器は接続禁止
蓄電池容量しだい・夜も使える冷蔵庫や照明を夜も。太陽光と組めば翌日また充電できます出力を超える機器は動きません。精密機器は不可
発電機大きな電力・燃料しだい出力が大きい屋内では絶対に使えません(一酸化炭素)。音と燃料の保管
UPS数分〜数十分精密機器を0msで守る長時間はもちません

組み合わせるものであって、どれか一つではありません。たとえば「カセットコンロ+ポータブル電源」なら数万円で、夏の1〜2日はかなり楽になります。そこから先、夜も冷蔵庫を止めたくないとなって初めて蓄電池の話になります。

今日、お金をかけずにできること

設備の前に、これだけやっておいてください。全部無料です。

□ 懐中電灯の場所を家族全員が知っている(スマホのライトは充電を減らします)
□ 分電盤の場所を家族全員が知っている
□ 太陽光があるなら、自立運転コンセントの場所を知っている
□ その場所を写真に撮って家族LINEに送ってある
□ 停電したらエコキュートのブレーカーを落とす、を家族で共有している
□ 冷凍庫は開けない、を家族で共有している
□ カセットコンロのボンベの本数を把握している
□ 延長コードが何メートルあるか把握している(定格15A以上か)
□ 飲料水と備蓄食の賞味期限を確認した

ここまでで、停電の夜の混乱はだいぶ減ります。そのうえで足りないものが見えたら、そこから機器の話です。

よくある失敗5つ

① 容量だけ見て、出力を見なかった
「16kWhもあるから安心」と思ったら、エアコンが動かない。同時に何を動かせるかは出力(kW)で決まります。
② 全負荷にしたら、早く空になった
全負荷は「使える範囲が広い」だけで、使えば使うほど早く減ります。何を優先するかを決めていないと、朝までもちません。
③ 精密機器を蓄電池でどうにかしようとした
メーカーが接続を禁止しています。UPSで受けるのが正しい順番です。
④ 一度も動かさないまま10年経った
訓練していない設備は、無いのと同じです。停電の夜、暗い中で取扱説明書を探すことになります。
⑤ 発電機を屋内やガレージで使った
一酸化炭素中毒の危険があります。発電機は必ず屋外で、排気が室内に流れ込まない場所で使ってください。

備える順番。モノを買う前に、やることがあります

停電対策の相談をいただくと、多くの方が「蓄電池はいくらですか」から始まります。でも、その前に確かめることがあります。

① まず、いまの設備で何ができるかを確かめる(太陽光があるなら自立運転。訓練は30分)
② 足りないものを、具体的に書き出す(何ワット足りないか。何時間足りないか)
③ そのうえで、機器を選ぶ(蓄電池・発電機・UPS・ポータブル電源)

①を飛ばして③から入ると、必要以上に大きなものを買うことになります。逆に、①をやると「思っていたより使える」あるいは「まったく足りない」がはっきりします。そこから先の判断は、営業トークではなくご自身の体験になります。

当社は「たぶん効果があります」というご提案をしません。測り方をお伝えして、一緒に確かめるところから始めます。

年に1回、30分の停電訓練

太陽光をお持ちのお宅に、いつもお尋ねすることがあります。

「自立運転のコンセント、どこにあるかご存じですか?」

ほとんどの方が「わからない」とおっしゃいます。買った日に一度も使わないまま、10年経っている設備です。いざ停電したとき、暗い中で取扱説明書を探すことになります。

だから当社は、毎年9月を「わが家の停電訓練月間」にすることをおすすめしています。晴れた休日の昼、家族そろって30分。それだけです。

やること時間わかること
場所を家族全員で覚える5分パワコン・自立運転コンセント・切替スイッチ・分電盤・懐中電灯
距離を測る5分延長コードが届くかどうか。「たぶん届く」は当日通用しません
実際にブレーカーを落とす10分切替の手順と、かかる時間
何が動くか1台ずつ試す10分スマホ・扇風機・冷蔵庫・炊飯器・電子レンジ
冷凍庫の古いものを食べ切るローリングストック。賞味期限切れを掴まなくなります

→ 訓練のやり方を、手順どおりに書きました

太陽光の自立運転で、実際に何が動くか

「太陽光があるから停電でも大丈夫」と思っている方に、先に事実をお伝えします。

項目一般的な仕様(機種により異なります)
使える電力1,500W まで(AC100V・15A)。それ以上は使えません
使える時間日射があるときだけ。夜は使えません。雨や曇りでは出力が下がります
コンセント専用の1口だけ。家中のコンセントが使えるわけではありません
切り替え手動の機種が多いです。自動で切り替わるとは限りません
つないではいけないものパソコン・医療機器などの精密機器(下の⑤をお読みください)

1,500Wというのは、電子レンジ1台でほぼ埋まる数字です。冷蔵庫(100〜300W)と扇風機(30〜50W)とスマホ充電なら余裕がありますが、エアコンやIHは動きません。

→ 自立運転でできること・できないこと

蓄電池は、何を解決して何を解決しないか

蓄電池を入れると、夜も使えるようになります。これが自立運転との最大の違いです。ただし、容量と出力という2つの制約があります。

確かめることなぜ
容量(kWh)何時間もつかが決まります。冷蔵庫とスマホだけなら長く、エアコンを使うと一気に減ります
出力(kW)同時に何を動かせるかが決まります。容量が大きくても出力が小さければエアコンは動きません
全負荷か特定負荷か家中使えるか、決められた回路だけか。全負荷は便利ですが、そのぶん早く減ります
エコキュートとの関係当社の実測で、エコキュートは1日およそ20kWh使います。蓄電池の容量を丸ごと超える量です

ここがいちばん誤解されるところです。「全負荷だから安心」ではありません。全負荷は「使える範囲が広い」だけで、使えば使うほど早く空になります。

実際にあったお宅の話を、別ページに書きました。太陽光と蓄電池で合わせて550万円かけたお宅が、6日間停電したときの話です。→ 蓄電池をつけたのに、停電しました

精密機器は、蓄電池では守れません

これは、当社がいちばん強くお伝えしていることです。

蓄電池の自立運転出力にも、太陽光の自立運転コンセントにも、パソコン・サーバー・制御盤・通信機器・医療機器などの精密機器をつないではいけません。各メーカーの取扱説明書で、接続が禁止されています。

理由は、停電を検知してから切り替わるまでに数秒の空白が生じるからです。波形や電圧も、系統の電気と同じではありません。その数秒で機器は止まり、場合によっては故障し、データが失われます。

正しい順番
精密機器 ← UPS(無停電電源装置)で受ける(0ms・無瞬断)
       ↑ その背後を
      蓄電池が長時間もたせる
       ↑ 日中は
      太陽光が供給する

UPSは「あった方がよい選択肢」ではなく、精密機器を守るなら必須の一段目です。蓄電池はUPSの代わりになりません。蓄電池の役割は、UPSの後ろを長くすることです。

在宅で医療機器をお使いの方へ。人工呼吸器・酸素濃縮器・吸引器などは、全負荷型の蓄電池でも「守れます」とは申し上げられません。機器メーカー指定の内蔵バッテリーまたはUPSを、機器のすぐ手前に置いてください。導入前に、必ず主治医と機器メーカーにもご確認ください。

→ UPSと蓄電池は何が違うのか

停電したら、エコキュートのブレーカーを落とす

千葉の停電を経験して分かったことです。あまり知られていません。

停電したら、エコキュートのブレーカーを落としてください。復電したときに沸き上げが一斉に始まり、他の機器と重なってブレーカーが落ちることがあるためです。せっかく電気が戻ったのに、また停電する——これが起きます。

もうひとつ。多くの機種では、タンクに残ったお湯を生活用水として取り出せます。断水したときに効きます。ただし飲用には適しません(配管内に長時間とどまった水のため)。

→ 停電したときのエコキュートの扱い

冷凍庫は開けない

やりがちな間違いです。

❌ 停電したら、冷凍食品を解凍して食べる
⭕ 停電したら、冷凍庫は開けない

開けなければ2〜3日もちます。詰まっているほど長くもちます。冷凍食品は「食べるもの」ではなく、巨大な保冷剤として働かせてください。温めるものは、常温保存できるレトルトや缶詰です。

→ 停電の食べものと冷蔵の考え方

2019年、千葉で何が起きたか

2019年9月9日、令和元年房総半島台風が千葉市付近に上陸しました。

事実内容
停電の規模千葉県内で約93万戸
全面復旧までおよそ280時間
起きたこと倒木と電柱の倒壊で道路が塞がり、復旧車両が入れない地域が出ました

出典:資源エネルギー庁

このとき私は、工事をさせていただいたお客様のお宅を回りました。設備が入っているのに使えていないお宅、使い方が分からないお宅がありました。そこで見たことが、いまの当社の考え方のもとになっています。

→ 2019年の記録と、そこから分かったこと

法人・施設の停電対策

法人・自治体・医療福祉施設では、考え方の出発点が変わります。「何を、何秒止められないか」から設計します。

止められる時間対象受けるもの
0秒サーバー・制御盤・生産ライン・通信監視・医療機器・レジUPS(無瞬断)
数秒なら可照明・換気・給水ポンプ・冷蔵設備蓄電池の自立運転
数時間〜空調・一般動力蓄電池+太陽光、発電機

工場で実際に多い被害は、長時間の停電よりも瞬時電圧低下(瞬停)です。ほんの一瞬でラインが止まり、復旧に何時間もかかります。ここはUPSの領域で、蓄電池では守れません。

法人・自治体の電源BCP
止めない電気の設計図。UPS・蓄電池・太陽光の組み方
病院・老人ホームの電源BCP
24時間止められない設備をどう守るか
体育館の空調と避難所電源
避難所になる建物の、暑さと電気

費用と補助金の考え方

正直にお伝えします。家庭用蓄電池の国の補助金は、2026年5月に予算に達して受付が終了しています(2026年8月時点で、再開は発表されていません)。

だからこそ、「補助金があるうちに」ではなく「停電した夜に何を動かしたいか」から容量を決めるのが、いちばん損をしない選び方です。制度は変わりますが、必要な容量は変わりません。

当社の考え方は一貫しています。補助金ありきで工事を決めない。本来やったほうがいい対策を先に決めて、使える制度があれば使う。この順番です。

なお、お金をかけない対策もあります。訓練・延長コードの用意・冷凍庫の使い方・エコキュートのブレーカー。ここまでは、今日からできます。

千葉県内、対応エリア

千葉県内であればご相談ください。担当は寺嵜が直接お伺いします。

千葉市(中央区・花見川区・稲毛区・若葉区・緑区・美浜区)/市川市/船橋市/木更津市/松戸市/野田市/茂原市/成田市/佐倉市/東金市/旭市/習志野市/柏市/勝浦市/市原市/流山市/八千代市/我孫子市/鴨川市/鎌ケ谷市/君津市/富津市/浦安市/四街道市/袖ケ浦市/八街市/印西市/白井市/富里市/南房総市/匝瑳市/香取市/山武市/いすみ市/大網白里市 ほか町村部

よくあるご質問

太陽光があれば、停電しても普通に生活できますか。
できません。自立運転で使えるのは一般に1,500Wまでで、しかも日射があるときだけです。専用コンセント1口のみで、家中のコンセントが使えるわけでもありません。夜は使えません。まず一度、訓練として実際に動かして確かめてください。
蓄電池を入れれば安心ですか。
夜も使えるようになるのが最大の利点です。ただし容量(何時間もつか)と出力(同時に何を動かせるか)の制約があります。「全負荷だから安心」ではありません。全負荷は使える範囲が広いだけで、使えば使うほど早く空になります。
パソコンや医療機器は、蓄電池につないでいいですか。
いけません。蓄電池の自立運転出力にも太陽光の自立運転コンセントにも、精密機器の接続はメーカーの取扱説明書で禁止されています。停電検知から切替までに数秒の空白が生じ、波形や電圧も系統と同じではないためです。精密機器はUPS(無停電電源装置)で受けてください。
停電したら、まず何をすればいいですか。
ブレーカーの状態を確認し、エコキュートのブレーカーを落としてください。復電時の一斉沸き上げでブレーカーが落ちるのを防ぐためです。冷凍庫は開けないでください。太陽光があれば、明るいうちに自立運転へ切り替えます。
冷蔵庫の中身はどうなりますか。
冷凍庫は開けなければ2〜3日もちます。詰まっているほど長くもちます。冷凍食品は保冷剤として働かせて、食べるものは常温保存できるレトルトや缶詰にしてください。
蓄電池の補助金は使えますか。
家庭用蓄電池の国の補助金は、2026年5月に予算に達して受付が終了しています(2026年8月時点で再開の発表はありません)。自治体の制度は年度や地域で異なるため、確認してからお伝えします。当社は補助金ありきで工事をおすすめしません。
発電機とポータブル電源、どちらがいいですか。
使う場所と量で変わります。ポータブル電源は屋内で静かに使えますが容量が小さく、発電機は大きな電力を出せますが排気があるため屋内では使えません。まず何ワット・何時間必要かを訓練で出してから選ぶと、失敗しません。
工場ですが、長時間の停電より瞬停が困っています。
その通りで、工場で実際に多い電源被害は瞬時電圧低下です。一瞬でラインが止まり、復旧に何時間もかかります。これはUPSの領域で、蓄電池では守れません。何を何秒止められないかから設計します。
相談すると、蓄電池を勧められますか。
足りていれば足りていると申し上げます。当社は訪問販売をしていません。まず訓練で現状を確かめていただき、足りない分だけをご提案します。その場で契約を迫ることもありません。
千葉のどこまで来てもらえますか。
千葉県内であればお伺いします。担当は寺嵜が直接対応します。離島および一部地域は、ご相談のうえ対応可否をお伝えします。
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品番シールと検針票、
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概算見積りは無料です。千葉県内、担当は寺嵜が直接お伺いします。

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